2018年04月22日
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素敵な大島みつけました
紬のふくはら「福原豊さん」
うちの大島紬はあくまで助演女優。
主演はあくまでお召しになる方です。
大島紬の織元「紬のふくはら」店主の福原豊さん。
福原さんが見せてくれる大島紬はこれまで抱いていた「大島紬」のイメージを変えるものでした。
大島紬は着ていただいてなんぼ、の着物です。
人が着ることでその着物も長生きするんです。
「昔は値段の張る、それこそ100万・150万なんていう大島紬はタンスを開けてニヤッとする。
そして仕舞う、そんな自己満足の着物でした。
でも本当は、着物というのは着てこそ良さが出るものなんですよ。
湿気を嫌うと言って桐のタンスにしまいっぱなしではいけない。
適度な湿気というか人肌で、人が着ることでその着物も長生きするんです。」
と素敵な笑顔で、誰でも親しみを感じてしまう福原さん。
実家は鹿児島の機屋、男物の大島紬を中心に幅広くものづくりをしていたそうです。
まったく継ぐ気もなく過ごした学生時代は芝居にはまりテレビ局でアルバイトをし、
そして卒業後はCIコンサルト会社に就職しました。
そんな経験を経て30歳ぐらいで着物の業界に入ったそうです。
最先端の業界で活躍していた福原さんだからこそ感じる感性。
何を作っていいかわからない職人さん。
着る人が本当に欲しい色は?本当に欲しい柄は?
それを「伝える」架け橋になろう!
そして、着る方の思いを「表現する」仕事なのだと気付いたそうです。
これまでの大島紬のイメージ
「大島紬って泥染めの茶系で黒系で、絣がいっぱいで柄がドーンとしている
いい意味で有名だけど、悪く言うと固定観念がありすぎますよね。
初心者の方にはまだ早いですよねってよく言われます。」
「伝統工芸品ではあるけれども、それまではハイクラスの絣の重い’何マルキ’に代表されるように
すごい大島紬が中心で、一部のすごい方だけに着ていただくような着物になっていってしまったように感じます。」
大島紬の魅力は?
「簡単に言うと大島紬の魅力は気負わないで着られる。
これが一番だと思います。
そしてどんな着物と比べても軽くて楽。
水に強いのも大島紬の特徴で、
糸の関係で撚りがゆるいので水に濡れても伸び縮みが少ないのも安心です。」
そんな大島紬、カジュアルの代表的な織物であったはずが・・・
どこか芸術性の方に行ってしまっている。
本当に着たい人の着たい着物になっているのか?
そんな疑問を持ち始めました。
名脇役としての大島紬
「これまで大島紬は固定観念に縛られすぎて、
絣・泥染めと着物が主張しすぎているものが多いんです。
着る方を主演にするためには主張が強すぎてはダメなんです。」
だからこそ福原さんの大島紬は
帯を引き立たせる着物
「着てみたい!」「コーディネートがしたい!」
その方の個性で帯を楽しむ着物。
「洋風感覚、日常生活で浮かない、着ているのも一瞬気が付かないくらい、
馴染んでくれる大島紬があってもいいのかなと思って作っています。」
名脇役を演じようと、引き算をして生まれたシンプルな大島紬
「シンプルな大島紬で毎日でも帯を変えながらコーディネートの楽しさが味わえる着物
それがカジュアルの基本です。」
シンプル系・・・これも大島なんだという、これから着物に入る初心者の方に来てもらえるきもの
福原さんにお話しをうかがって改めて、
大島紬でこれからのきものファンを作っていきたいと感じました